ハイブリッドな進め方を検討する際、「どの部分を自分で作り、どの部分を外注するか」という分担の考え方に迷うことがあります。全部を自分で作ろうとすれば時間がいくらあっても足りず、全部を外注すれば費用がかさむだけでなく、自分がやりたかったことの意図がサービスに反映されにくくなります。この記事では、核となる機能は自分で、周辺機能は外注するという分担の考え方を、具体例やよくある失敗パターンとともに解説します。
この記事で分かること
分担を考える際、「核となる機能」と「周辺機能」を区別することが、判断をシンプルにする助けになります。この記事では、その区別の仕方と、分担の考え方を紹介します。
結論を先に示すと、押さえておきたいポイントは次の3つです。
- 「核となる機能」は、サービスの価値の中心にある部分
- 「周辺機能」は、サービスを支える、共通性の高い部分
- 核は自分の理解を活かし、周辺は既製の仕組みを活用する
この3つを軸に、後半では具体的な業種別の例、分担を誤ったときに起きる失敗、そして実際に分担を判断するためのチェックリストも紹介していきます。
「核となる機能」とは何か
核となる機能とは、そのサービスが持つ、独自の価値を生み出している部分です。例えば、専門分野の業務ロジックに基づいた診断や、判断のロジックなどが、核となる機能に該当します。この部分は、そのサービスの独自性そのものであり、自分の専門知識や理解を、最も活かせる部分です。
核となる機能は、自分自身が要件を整理し、可能であれば、ノーコードツールを使って内製することで、自分の意図を、最も正確に反映させられます。
なお、こうした核部分を外部のSaaSに頼らず自社で持つことの意味については、独自性を生む核部分を自社で持つ価値でも、法人向けの視点から整理されている。
核となる機能の具体例
業種によって、核となる機能がどこにあるかは大きく異なります。いくつか例を挙げてみます。
- 栄養士が作る食事管理サービス:入力された食事内容から、栄養バランスを評価し、改善アドバイスを出すロジック。これは栄養士としての専門知識がそのまま反映される部分であり、他の誰かに任せてしまうと、サービスの価値そのものが失われてしまいます。
- 税理士が作る経費チェックツール:入力された経費データが、税務上のルールに適合しているかを判定するロジック。ルールの解釈や適用の仕方に、税理士自身の知見が強く反映されます。
- フィットネストレーナーが作るトレーニング診断:利用者の回答から、その人に合ったトレーニングメニューを提案するロジック。トレーナーとしての経験や指導方針が、そのまま診断結果の質を左右します。
これらの例からも分かるように、核となる機能は「その分野の専門家である自分だからこそ設計できる部分」と言い換えることができます。ここを外注に出してしまうと、専門知識のない開発者が推測でロジックを作ることになり、結果として「なんとなく動くけれど、狙った通りの判断をしてくれない」サービスになりがちです。
「周辺機能」とは何か
周辺機能とは、サービスの独自性とは直接関係のない、多くのサービスに共通して必要な機能です。例えば、ユーザー登録・ログイン機能、決済機能、メール送信機能などが、周辺機能に該当します。
周辺機能は、多くのサービスで共通して必要とされるため、既製のサービスやツール(決済代行サービス、認証サービスなど)を活用することで、効率的に実装できます。この部分は、自分で独自に作り込むよりも、既製の仕組みを活用するほうが、品質やセキュリティの観点でも、優れている場合が多くあります。
なお、認証機能を外部サービスに任せる場合でも、社内データや外部ツールと接続する構成を取るのであれば、認証まわりを固める設計のポイントを押さえておくと、後々の手戻りを防ぎやすい。
周辺機能の具体例
周辺機能に該当する代表的なものを整理すると、次のようなカテゴリに分けられます。
- 認証・ログイン関連:メールアドレス認証、SNSログイン、パスワードリセットなど
- 決済関連:クレジットカード決済、サブスクリプション課金、請求書発行など
- 通知関連:確認メールの送信、リマインドメールの送信、プッシュ通知など
- インフラ関連:サーバーの管理、バックアップ、アクセスの監視など
- データ保護関連:個人情報の暗号化、アクセス権限の管理など
これらはどの業種のサービスでも共通して必要になる機能であり、専門の事業者が長年かけて品質を磨き込んでいる領域です。自分で一から実装しようとすると、専門事業者と同等の品質やセキュリティレベルに到達するまでに、想像以上の時間がかかります。
核と周辺を、区別する際の考え方
自分が作りたいサービスにおいて、「これがなければ、このサービスの独自性が失われる」と言える部分が、核となる機能です。逆に、「これは、多くの他のサービスにも、同じように存在する機能だ」と言える部分は、周辺機能と考えられます。
この区別ができれば、「核は自分で理解を活かして作り、周辺は既製の仕組みに任せる」という分担の方針が、明確になります。
判断に迷ったときは、次のような問いを自分に投げかけてみると、区別しやすくなります。
- その機能を、他の同業のサービスがそのまま真似できるか
- その機能がなくなったら、利用者はこのサービスを選ぶ理由を失うか
- その機能の実装に、自分の専門知識や経験が反映されているか
1の答えが「はい」であれば周辺機能、2と3の答えが「はい」であれば核となる機能である可能性が高いというのが、簡易的な目安です。
分担を決める際、陥りやすい誤解
誤解1:すべてを自分で作ることに、こだわってしまう
「全部自分で作りたい」という思いから、周辺機能まで、無理に自分で作ろうとしてしまうことがあります。しかし、周辺機能を独自に作り込むことは、時間もかかり、セキュリティなどのリスクも高くなるため、既製の仕組みを活用するほうが、多くの場合、合理的です。
例えば、決済機能を自分で実装しようとすると、カード情報の取り扱いに関する高いセキュリティ基準(PCI DSSなど)への対応が必要になり、専門知識のない個人が対応するのは現実的に困難です。既製の決済代行サービスを利用すれば、こうした対応をサービス側にまとめて任せられます。
誤解2:核となる機能まで、外注に丸投げしてしまう
逆に、核となる機能まで、開発会社に丸投げしてしまうと、自分の専門知識や意図が、正確に反映されないリスクがあります。核となる機能については、自分自身が深く関与することを、意識することをおすすめします。
「時間がないから」という理由で核となる機能の設計まで外注してしまうと、開発会社側は業務ロジックの背景にある専門的な判断基準を持っていないため、ヒアリングを通じて推測しながら作ることになります。その結果、完成したサービスが「自分がイメージしていたものと違う」となってしまうケースが少なくありません。
誤解3:核と周辺を、最初から完璧に切り分けようとしてしまう
分担の考え方を知ると、「最初の設計段階で、核と周辺を完璧に切り分けなければならない」と思い込んでしまうことがあります。しかし、実際に手を動かしてみると、想定していなかった機能が出てきたり、当初は周辺だと思っていた機能が、実は核に近い性質を持っていたと分かることもあります。
分担は一度決めたら終わりではなく、開発を進める中で見直していくものだと考えておくと、途中で認識が変わっても、落ち着いて対応しやすくなります。
分担が難しい、境界線上の機能への対応
すべての機能が、明確に「核」か「周辺」かに分かれるわけではなく、判断が難しい機能もあります。この場合、その機能が、サービスの独自性にどれくらい関わっているかを、あらためて考えてみることをおすすめします。独自性への関わりが強ければ核として、弱ければ周辺として扱うという判断で、多くの場合、対応できます。
例えば、「利用者の入力内容に応じて、表示する項目を切り替える」という機能があるとします。この切り替えのロジックが、単純な条件分岐であれば周辺機能に近いと考えられますが、その切り替え基準そのものに専門知識が反映されているのであれば、核に近い機能と言えます。
境界線上の機能に出会ったときは、次のような中間的な対応も検討できます。
- 設計だけ自分で行い、実装は外注する:ロジックの考え方や判断基準を自分でドキュメント化し、その通りに実装してもらう
- まず自分で簡易版を作り、後から専門家に改善を依頼する:ノーコードツールなどで一度形にしてから、性能や品質を高める部分だけを依頼する
- 核の一部だけを自分で担当し、残りは外注する:ロジックの中でも特に専門性が高い部分だけ自分で担当し、周辺的なロジックは外注する
分担の考え方を、開発会社との相談に活かす
この「核と周辺」の分担の考え方を、開発会社への相談の際にも活用できます。「この部分は核となる機能なので、自分の意図を細かく反映してほしい。この部分は周辺機能なので、標準的な実装で構わない」というように伝えることで、開発会社側も、力を入れるべき部分の優先順位を、正確に把握できます。
この伝え方には、次のようなメリットもあります。
- 見積もりの精度が上がる:どこに時間をかけるべきかが明確になるため、開発会社側も見積もりを出しやすくなります
- コミュニケーションの手間が減る:周辺機能について細かい確認を都度受けることが減り、核の部分に集中して打ち合わせができます
- 費用を抑えやすくなる:周辺機能は標準的な実装で構わないと伝えることで、過剰な作り込みを避けられ、見積もりが必要以上に膨らむことを防げます
逆に、この区別を伝えずに依頼してしまうと、開発会社側はどの部分にどれだけ力を入れるべきかが分からず、全体を平均的な精度で作ることになりがちです。結果として、本当に力を入れてほしかった核の部分の精度が、期待より低くなってしまうことがあります。契約・法務も含めた開発期の相談の進め方は、内製か外注か、そして契約と法務。開発期をやり切るための実務ガイドでも整理している。
専門知識を活かしたツールの場合、核となる機能の重要性
専門分野の業務ロジックを含むツールの場合、その業務ロジック自体が、サービスの核となる機能であることが多くあります。この核となる部分については、専門知識を活かした自分自身の関与を、特に重視することをおすすめします。
特に、資格や実務経験に基づく専門知識を武器にサービスを作る場合、その専門知識が反映されたロジックこそが、他の誰にも簡単に真似されない強みになります。この強みを外注に出してしまうことは、自分の専門性という最大の資産を手放すことに近いと考えることもできます。
分担の判断に、開発経験の有無は関係あるか
「開発経験がないのに、核となる機能を自分で作るなんてできるのだろうか」と不安に感じる方もいます。しかし、ここで重要なのは、核となる機能を「コードとして実装する」ことと、核となる機能の「ロジックや判断基準を決める」ことは、必ずしも同じ作業ではないという点です。
開発経験がなくても、自分の専門知識に基づいて「どういう入力に対して、どういう判断をするか」という基準を言語化することはできます。この言語化さえできていれば、実装そのものはノーコードツールを使ったり、その部分だけ実装を外注したりしても、核となる機能への関与を保つことができます。大切なのは「意図を自分で握っておくこと」であり、「すべてのコードを自分で書くこと」ではありません。
実際、開発経験を持たない専門職の方が、紙やスプレッドシート上で自分の判断基準を細かく書き出し、それをそのままノーコードツールの条件分岐に落とし込んでいくというやり方で、核となる機能を形にしているケースも多く見られます。開発の知識よりも、自分の専門知識を「言葉にする力」のほうが、核となる機能を守るうえでは重要だと言えるでしょう。
分担で失敗しがちなパターン
分担の考え方自体は理解できても、実際の進め方でつまずくケースがあります。ここでは、よくある失敗パターンを3つ紹介します。
失敗パターン1:周辺機能の選定に時間をかけすぎる
周辺機能は「既製の仕組みを活用する」と決めたあとも、どのサービスを選ぶかで延々と比較検討を続けてしまうことがあります。決済代行サービスや認証サービスは、どれを選んでも基本的な機能に大きな差はないことが多いため、比較に時間をかけすぎるよりも、実績のある主要なサービスから早めに1つを選び、実際に手を動かし始めるほうが、全体の進行としては有利になることが多いです。
失敗パターン2:核となる機能の言語化を後回しにする
核となる機能は自分で作る、と決めても、その機能が「具体的に何をするものか」を言語化しないまま、なんとなく手を動かし始めてしまうことがあります。専門知識に基づく判断ロジックは、自分の頭の中では明確でも、いざ言葉や図に書き出そうとすると、意外と曖昧な部分があることに気づくものです。この言語化を後回しにすると、後になって仕様が固まらず、開発が何度も後戻りする原因になります。
失敗パターン3:外注先に核の詳細を伝えずに、周辺機能だけ依頼する
周辺機能だけを外注する場合でも、その周辺機能が核となる機能とどう連携するかを、外注先にきちんと伝える必要があります。「決済機能だけ作ってもらえばいい」と考えて、サービス全体の仕組みを共有しないまま依頼すると、後になって核の機能と周辺機能をつなぐ部分で、想定外の手戻りが発生することがあります。周辺機能を依頼する際も、サービス全体の構成を簡単に共有しておくことをおすすめします。
分担を判断するためのチェックリスト
実際に自分のサービスで、核と周辺を切り分ける際に使える、簡単なチェックリストを紹介します。それぞれの機能について、次の項目を確認してみてください。
- [ ] この機能がなくなったら、サービスの独自性が失われるか
- [ ] この機能の実装に、自分の専門知識や経験が反映されているか
- [ ] 同業の他のサービスにも、同じような機能が存在するか
- [ ] この機能は、決済・個人情報・セキュリティなど、専門的な対応が必要な領域か
- [ ] この機能を外注した場合、自分の意図を正確に伝えられる自信があるか
- [ ] この機能を自分で作った場合、専門事業者と同等の品質・安全性を保てるか
上の3項目で「はい」が多ければ核となる機能、下の3項目で「はい」が多ければ周辺機能として外注する、という目安で考えると、判断がしやすくなります。
実際に分担を決めるまでの、具体的な進め方
考え方が分かっても、いざ自分のサービスに当てはめようとすると、どこから手を付ければいいか分からないという声もよく聞きます。ここでは、分担を決めるまでの具体的なステップを紹介します。
ステップ1:思いつく機能を、すべて書き出す
まずは、作りたいサービスに必要な機能を、思いつく限りすべて書き出します。このとき、「核か周辺か」を意識せずに、とにかく機能の洗い出しに集中するのがポイントです。中途半端に分類を意識しながら書き出すと、抜け漏れが発生しやすくなります。
例えば、栄養士が食事管理サービスを作るケースであれば、次のような機能が挙がってくるでしょう。
- 利用者登録・ログイン
- 食事内容の入力フォーム
- 栄養バランスの診断ロジック
- 改善アドバイスの表示
- 診断結果の履歴管理
- 有料プランへの課金
- リマインドメールの送信
- 利用者からのお問い合わせ対応
ステップ2:書き出した機能を、核と周辺に仮分類する
次に、書き出した機能それぞれについて、前述のチェックリストを使いながら、核か周辺かを仮に分類していきます。この段階では「仮」でよく、完璧な分類を目指さないことが大切です。
先ほどの例であれば、「栄養バランスの診断ロジック」「改善アドバイスの表示」は核となる機能、「利用者登録・ログイン」「有料プランへの課金」「リマインドメールの送信」は周辺機能に分類されるでしょう。「診断結果の履歴管理」は、単純な保存・表示であれば周辺機能に近く、履歴の見せ方に専門的な工夫を加えるのであれば、核に近づいていきます。
ステップ3:核となる機能から、優先して着手する
分類ができたら、核となる機能から着手します。核となる機能がまだ固まっていない状態で周辺機能の実装を先に進めてしまうと、後から核の仕様が変わった際に、周辺機能側にも修正が必要になり、手戻りが大きくなることがあります。核が固まってから周辺に着手する順序を意識すると、全体の手戻りを減らせます。
ステップ4:周辺機能は、まとめて外注先に相談する
核となる機能の輪郭がある程度固まった段階で、周辺機能をまとめて開発会社や外注先に相談します。この際、核となる機能の概要も簡単に共有しておくことで、周辺機能を担当する外注先が、核との連携部分をイメージしながら実装を進めやすくなります。
ステップ5:実装を進める中で、分担を随時見直す
実装を進めていく中で、当初の分類が実情と合わなくなることがあります。その場合は、無理に最初の分類にこだわらず、都度見直していきます。分担の見直しは失敗ではなく、サービスの理解が深まった結果だと捉えるとよいでしょう。
業種別に見る、分担の考え方の違い
分担の考え方は、業種やサービスの性質によっても、力を入れるべきポイントが変わってきます。いくつかの業種を例に、分担の傾向を見てみます。
診断・アドバイス系サービス(栄養士、コンサルタントなど)
このタイプのサービスでは、入力内容から結果を導き出す「診断ロジック」が核となる機能の中心です。周辺機能である入力フォームや結果表示のUIは、ある程度標準的な作りで十分に機能するため、外注や既製テンプレートとの組み合わせで、スピーディーに立ち上げやすい傾向があります。
予約・マッチング系サービス(士業、教室運営など)
予約やマッチングの仕組み自体は、多くのサービスで共通するパターンがあるため、周辺機能として既製の予約システムを組み合わせるケースが多くなります。一方で、「誰と誰をどう組み合わせるか」「どの条件を優先してマッチングするか」といったマッチングの基準が、専門知識に基づく核となる機能になることがあります。
コミュニティ・SNS系サービス(趣味コミュニティ、専門家同士の交流など)
このタイプでは、投稿機能やコメント機能など、一般的なSNSと共通する部分が多く、周辺機能として扱える範囲が広い傾向があります。核となる機能は、「どのような投稿を、どういう基準で目立たせるか」といった、コミュニティの雰囲気や質を左右する運営ロジックに現れることが多いです。
分担を誤ったときに起きること
分担を誤ると、具体的にどのような問題が起きるのか、もう少し詳しく見ておきます。
核となる機能を外注しすぎた場合、完成したサービスが「専門家の目から見ると、少し違和感がある」という状態になりがちです。利用者は専門知識を持たないことが多いため、最初は気づかれないこともありますが、じわじわと「なんとなく物足りない」という評価につながり、長期的な利用継続やリピートに影響することがあります。
一方で、周辺機能を必要以上に自分で作り込みすぎた場合、開発期間が大きく延び、本来もっと早くサービスを立ち上げられたはずの機会を失ってしまいます。特に、決済やセキュリティに関わる周辺機能を自作した場合は、リリース後に脆弱性が見つかるなど、サービスの信頼性そのものに関わるリスクを抱え続けることにもなります。
こうしたリスクを避けるためにも、「核は自分で、周辺は外注」という原則を、開発の早い段階で意識しておくことが重要です。
分担を決めた後、時間の使い方をどう変えるか
核と周辺の分担を決めたあとは、自分の限られた時間を「どこに使うか」という配分の問題に置き換えて考えることができます。本業を持ちながら個人でサービスを立ち上げる場合、使える時間には明確な上限があります。この限られた時間を、核となる機能の設計・検証に重点的に振り分け、周辺機能の選定や依頼にかける時間は、必要最小限に抑えるという時間配分の発想が有効です。
具体的には、次のような時間の使い方が考えられます。
- 核となる機能:仕様の言語化、ロジックの検証、利用者に近い人からのフィードバック収集に、多くの時間を使う
- 周辺機能:候補となる既製サービスを2〜3個に絞り、比較検討にかける時間は短く済ませ、早めに1つを選んで着手する
- 境界線上の機能:まず簡易的な形で仮決めし、開発が進む中で必要に応じて見直す
こうした時間配分を意識することで、「本業の合間の限られた時間で、どこまで進められたか」という感覚を持ちやすくなり、開発全体の停滞感も減らせます。
分担の考え方を、他の判断にも応用する
「核となる機能は自分で、周辺機能は外注する」という分担の考え方は、開発の場面だけでなく、サービス運営が始まった後の判断にも応用できます。
例えば、サービスをリリースした後に、新しい機能を追加するかどうかを検討する場面でも、「この新機能は、サービスの独自性に関わる核なのか、それとも周辺的な便利機能なのか」を考えることで、自分が時間をかけて向き合うべきものか、外部のツールや外注で対応すべきものかを、同じ基準で判断できます。
また、サービスが成長し、業務量が増えてきた段階で、どの業務を自分で続け、どの業務をスタッフや外部パートナーに任せるかを考える際にも、この「核と周辺」という視点は役立ちます。サービスの価値を左右する判断業務は自分が担い、定型的な事務作業やサポート対応は他者に任せていく、という考え方は、開発時の分担の発想の延長線上にあります。
まとめ:分担の考え方を、迷ったときの判断軸にする
核となる機能は自分で、周辺機能は外注するという分担の考え方は、一度理解してしまえば、開発のあらゆる場面で使える判断軸になります。大切なのは、次の3点を意識し続けることです。
- サービスの独自性を生み出している部分(核)には、自分の専門知識や意図を反映させることを優先する
- 多くのサービスに共通する部分(周辺)は、既製の仕組みを積極的に活用し、時間とリスクを抑える
- 分担は一度決めたら固定するものではなく、開発の進行に応じて柔軟に見直してよい
この3点を軸にしながら、自分のサービスに必要な機能を一つひとつ洗い出し、核と周辺を仮に分類してみることから始めてみてください。最初から完璧な分担を目指す必要はなく、進めながら調整していくという姿勢が、個人・複業でのサービス立ち上げを、無理なく前に進める助けになります。
この記事の次に読みたい記事
核と周辺の分担の考え方を理解したら、次は本業を続けながら開発する時間の見積もり方についても確認しておきましょう。あわせて次の記事も参考にしてください。




