初めての発注は、誰でも緊張する
会社員として働きながら、かつて挫折したアイデアにもう一度挑もうとしている。そんな副業リベンジ型のあなたにとって、開発会社への初めての発注は、想像以上に緊張する場面かもしれません。
普段の仕事では「発注する側」に立つ機会がなかった人がほとんどでしょう。エンジニアと直接話した経験もなく、見積もりの読み方も分からず、契約書に何が書いてあるべきかも知らない。そんな状態で数十万円、時には百万円を超えるお金を動かす相談をするのですから、身構えてしまうのは当然です。
さらに、過去に一度そのアイデアで挫折した経験があると、「今度こそ失敗できない」というプレッシャーも重なります。相手に「分かっていない人」だと思われたくない、変な質問をして呆れられたくない。そんな気持ちが、初回の打ち合わせを必要以上に緊張させてしまいます。
まず知っておいてほしいのは、この緊張は特別なものではないということです。開発会社の側も、非エンジニアの発注者が専門用語につまずいたり、要件をうまく言語化できなかったりすることは織り込み済みです。身構えすぎず、等身大で臨むための心構えを整理します。
分からないことは、聞いていい
初めての発注で一番やってはいけないのは、「分かったふり」をすることです。
見積書に並ぶ「工数」「バッファ」「準委任契約」といった言葉、打ち合わせで飛び交う技術用語。理解できないまま相槌を打ってしまうと、後から認識のズレが表面化し、追加費用やスケジュール遅延という形で跳ね返ってきます。
発注者が技術に詳しくないのは、恥ずかしいことではありません。むしろ、専門知識がないからこそ開発会社に依頼しているのであって、それは対等な取引の前提です。分からない言葉が出てきたら、その場で「それはどういう意味ですか」と聞き返す。曖昧なまま話を進めない。これだけで、後々のトラブルの多くは防げます。
特にエンジニアではない発注者は、技術的な説明を自己流に解釈してしまい、後になって「思っていたのと違った」となりがちです。 エンジニアではない発注者が、技術的な説明で誤解しやすい点 を先に知っておくと、初回の打ち合わせで的確に聞き返せるようになります。
また、専門用語が多い業界であれば、自分の側から用語集を渡すという手もあります。逆に相手の説明が難しいと感じたら、遠慮せず「専門用語を使わずに説明してほしい」と伝えて構いません。
対等な発注者であるということ
緊張の背景には、「お金を払う側なのに、知識では圧倒的に劣っている」という非対称性への不安があります。しかし、この関係は本来対等です。
開発会社はあなたの業務知識やアイデアの中身までは分かりません。専門職スピンオフ型であれば業務ノウハウ、副業リベンジ型であれば過去の挫折から得た教訓や、ターゲットとする層への理解。これらはあなたにしか持っていない情報です。開発会社が持つのは技術力であり、あなたが持つのは事業の中身です。片方だけでは形になりません。
対等な発注者としてふるまうために、意識したいことは3つあります。
- 自分の言葉で説明する準備をしておく: 専門用語を使いこなす必要はなく、「誰の」「どんな悩み」を解決したいのかを自分の言葉で語れれば十分です
- 予算と譲れない点を先に伝える: 曖昧なまま進めると、後から機能を削る交渉が難しくなります
- 違和感があれば、その場で言葉にする: 「なんとなく不安」を飲み込まず、具体的に何が引っかかるのかを聞いてみる
初回の打ち合わせで緊張するのは自然なことですが、身構えて防御的になる必要はありません。 開発会社に相談する前に、決めておきたい3つのこと を事前に整理しておくだけでも、当日の心の余裕は大きく変わります。準備ができていれば、分からないことを聞くのも、対等に意見を言うのも、ずっとやりやすくなります。
詳細はコラムへ
初めての発注に向けた心構えは、ここまでで十分です。ここから先の実務的な準備は、コラムで扱っています。
契約前に相手を見極めたい場合は、危険な開発会社のサインとして挙げられているチェックポイントを確認しておくと安心材料になります。また、初めての発注でやりがちな失敗と、その避け方を先に知っておけば、同じ轍を踏まずに済みます。 初めての発注でやりがちな失敗と、避け方 も参考にしてください。
緊張は「準備不足」のサインであることが多く、逆にいえば準備すれば和らげられるものです。次の一歩として、打ち合わせ前に何を決めておくべきかを具体的に確認していきましょう。

